第107章 濡れ衣を着せる

いきなり浴びせられた罵声に、田中未菜は思わず息を呑んだ。

まさか月島文雄が、朝っぱらからここに現れるなんて――想像もしていなかった。

月島文雄の怒鳴り声に引き寄せられ、野次馬がわらわらと集まってくる。校舎の下はあっという間に人で埋まり、2階のベランダにまで顔が並んだ。

田中未菜は掌をぎゅっと握りしめ、深く息を吸う。今日ここへ来た理由は分かっていた。月島旭との別れ話――それだ。

「月島おじさん……用があるなら、二人で話しませんか」

「は? 今さら格好つける気か。恥ってもんは知ってるんだな」

月島文雄は鼻で笑い、田中未菜の鼻先に指を突きつけた。

「恥を知ってるなら、最初からやれ! ...

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